5/19現在、ビオトープで60匹(ゲンジのオス40匹・メス17匹、なぜか、ヘイケのオス2匹メス1匹も)
生物室の上陸・羽化装置で、137匹(ゲンジのオス81匹・メス39匹、ヘイケのオス9匹・メス8匹)
全部合計すると、197匹が羽化しています。
羽化成虫は、コケタワーを入れた産卵装置にいれて、交尾・産卵をさせていますが、産卵装置Aは、すでに解体して、ふ化装置にセッティングしました。まもなく、ふ化も始まります。
羽化直前の、ヘイケボタルのオスを、コケの下に見つけました。
撮影したその夜に、動き出していました。
上陸・羽化装置の中では、100匹くらい上陸していますが、土まゆを作っているものと、土まゆを作らずにコケの下で、蛹、成虫になるものも結構います。
昨年、ヘイケボタルの産卵・ふ化に成功して、今年、ヘイケボタル用の上陸・羽化装置を作りました。それに100匹近い幼虫が上陸し、ヘイケボタルの羽化を心待ちにしていました。そして、ついに5/10、門川高校の生物室で、ヘイケボタルのオスが2匹羽化しました。
5/10のビオトープでの、ゲンジボタルの飛翔を撮影しました。今年で9年連続、中庭のビオトープでホタルが舞いました。
現在、ビオトープでの羽化は、オス28匹、メス8匹。
生物室の上陸・羽化装置での羽化は、オス26匹、メス1匹。
合計、63匹のゲンジボタルが羽化しています。(ビオトープでの羽化成虫も、毎晩捕獲して産卵装置に入れているので、正確な羽化数がわかります。撮影は、それらをビオトープではなして撮影しました。
昨夜、生物室の産卵装置を見ていたら、ゲンジボタルの交尾行動が観察できました。交尾前のメスは、オスに近づき、激しく2~3回点滅しました。それに応じて、オスが激しく光りました。そして、交尾の瞬間、メスが激しく4回点滅しました。この行動は交尾の最中、二度見られました。この、4回の激しい点滅は、以前にも確認したことがあり、今後も注意して観察し、できれば、撮影したいと思っています。
5/1現在の羽化状況は、ビオトープで、オス8匹・メス2匹です。今年は、今のところ羽化状況はイマイチかな… 上陸は300匹以上はしているのですが、思ったより羽化が少ないです。原因として考えられるのは、上陸する中庭の木の剪定をやり過ぎたかもしれません。業者の人が、依頼したよりも多めに切ってしまい、地面に日が当たりすぎて、乾燥が…
でも、まだこれからも羽化すると思うので、期待しています。
なお、羽化した成虫は、その日のうちに捕獲して、生物室の産卵装置に入れています。
生物室に設置してある、「上陸・羽化装置」です。衣装ケースに、赤玉土と鹿沼土(どちらも細粒)、バーミキュライトを混ぜたものを入れてます。ゲンジボタル用のが2つ、ヘイケボタル用が1つありますが、4/27現在、ゲンジボタルは302匹、ヘイケボタルが30匹上陸しています。そろそろ羽化も始まる頃です。
生物室の上陸・羽化装置で、おしりを光らせながら上陸する幼虫の撮影に挑戦!
普通に撮影すると、光しか写らず、普通にストロボをたくと、幼虫は写るけど光が写らず、なかなか難しいのですが、シャッターを開放しながら、減光フィルターを三枚重ねたストロボの光を当てると、この様な写真が写せました。
何回もやり直しながら、やっと成功しました。
これも、上と同じ方法で撮影した、上陸幼虫です。ピントの調節がけっこう難しい。
3月26日の夜、学校の中庭にある、ホタルのビオトープで、一晩で100匹以上の幼虫が上陸しました。この写真は、シャッター速度20秒で30分間連写して、それを合成したものです。
一度に100匹以上の上陸は、今年初めてで、まるで星を見るような美しい光景でした。
前にも書きましたが、今年はヘイケボタルの交尾成虫を見つけ、産卵と孵化に成功しました。孵化した幼虫は、76匹。現在、38匹の幼虫が成長しながら、バットの中で生育しています。3枚の写真がありますが、最初の2枚がヘイケボタルで、3枚目は、左の4匹がヘイケボタルで、右の3匹がゲンジボタルです。肉眼での区別はなかなか難しいかな…
産卵も孵化の方法も、ゲンジボタルと同じで大丈夫です。ヘイケボタルの幼虫のえさは、カワニナだけでなく、サカマキガイやモノアラガイなど結構何でも食べるようです。
今年は、上陸、羽化までチャレンジして、来年は、もっとたくさん飼育したいと思っています。
せっかく北海道に行ったので、観光もちょっとしてきました。
① 最北端の「宗谷岬」(地球が丸いのがわかる水平線)
② 「サロベツ原野」の360°地平線
③ 富良野の「ファーム富田」のラベンダー
④ 美瑛の「四季彩の丘」
⑤ 美瑛の「青の湖」
⑥ 札幌の夜景
7/20~21に北海道・稚内で、2018第51回全国ホタル研究大会が開催されました。この大会は、年に1回各県持ち回りで開催され、全国のホタルの研究の専門家や保全活動をしている人達が集まるものです。門川高校のホタルプロジェクト班は、2年前の鳥取大会で初めて、生徒達が発表しました。今回は、私が個人的に参加しました。いろいろな発表を聞いて、刺激やアドバイスを受けてきました。今後の門高ホタルプロジェクトに取り入れていきたいと思いました。
来年度は、沖縄の久米島で4月に開催されます。楽しみです。
孵化した幼虫は、2種類の方法で飼育しています。
一つは、水槽による飼育です。60㎝水槽に底面濾過器を設置し、砂利(大磯砂と珊瑚石などを混ぜてます)を入れ、カワニナとそのエサである「イヌブナ」の葉を入れています。キャベツでも白菜でもいいんですが、夏はとくにすぐドロドロになって、水が汚れるので、腐りにくいイヌビワの葉っぱを使っています。イヌビワは、校内にたくさん生育しています。カワニナは孵化の1ヶ月前から飼育し、孵化幼虫が食べられるカワニナの稚貝を、たくさん産ませています。写真でも葉に付着した稚貝が見られます。もちろんカワニナの補充もしていきます。
この水槽の中に、2000~3000匹の孵化幼虫を入れています。(本当は、2000匹くらいがいいのですが……)
これまでこの方法では、夏の水温上昇が一番の課題でした。ホタルの幼虫は、低温には強いですが、32℃くらいを超すと死んでしまいます。しかし、生物室はエアコンもなく、室温が40℃くらいになります。そこで今までは、できるだけ頻繁に(毎日or一日に2回)水を半分替え、扇風機を回していましたが、それでもきびしい状況でした。今年は、写真のような水槽用の冷却器(一台2万円くらい)がセッティングできました。これを使うと、5℃~7℃くらい水温が下がるので、30℃を超すことがなくなりました。今のところなかなか良いです。
もう一つはバットによる飼育ですが、それは次回に・・・
ゲンジボタルとヘイケボタルの孵化は、産卵装置にいれておいたコケタワーを、水を張ったバットに浸けておきます。下に敷いてたコケは、板の上に置いて、水を張ったバットに置きます。すると、コケに産みつけられた卵から、幼虫がふ化して、自分で水の中に降りてきます。孵化幼虫は、体長1㎜くらいで、多いときには、一日2000匹くらい孵化します。これを駒込ピペットで、1匹ずつカウントしていきます。今年は、合計21000匹が孵化しました。これを、すぐ飼育水槽に入れていきます。
ゲンジボタルやヘイケボタルの産卵は、水槽にコケを巻いたコケタワーを入れ、底にはコケを敷いて、成虫を入れ、網を張ったふたをして、そのコケに産卵させます。あとの孵化を考えて、今のところこの方法でやっています。コケには毎日霧吹きをします。成虫は、生物室の羽化装置で羽化したものと、ビオトープで羽化したものを入れています。交尾は、羽化したその夜には行われます。
mrtテレビの「わけもんGT」が、門川高校の取材に来ました。その中で、芸人で高鍋出身の「ずん」のやすさんが、ホタルの総合学習の体験を、生徒と一緒に行いました。実習では、今やっている、孵化幼虫のカウントをやってもらいました。楽しい取材でした。放映は、7/25の予定。
延岡市立名水小学校に、ホタルの出前授業に行ってきました。延岡市が実施している、ふるさと教育推進事業「子どもたちにつたえたいこと」の一環の授業です。名水小学校は、全校生徒15人の小規模校です。今回は、
① 川がきれいかどうかを教えてくれるホタルについて知って欲しい。
② 自然の中で、いろんな体験をして欲しい。自然はみんなに多くのことを教えてくれる。
③ 一所懸命に取り組んでいると、誰かがきっと助けてくれる。
④ みんなのふるさとについてもっと知って、良いところは残して欲しい。などについて、話をしました。その後、ゲンジボタルの幼虫を見てもらったり、用意した暗幕で作った暗室の中で、光って飛ぶゲンジボタルの成虫を見てもらったりしました。みんな、目をキラキラさせて、参加してくれました。楽しかったです。名水小学校のホームページでも紹介されているので、見てみて下さい。
木城町の「木城のほたるを復活させる会」が主催する、ホタル講座に行ってきました。実は、北川ホタル講座に、この木城町の会の会長さんと副会長さんが参加され、その時にこの会のことをお聞きしました。そして、木城町の人達に私の「ホタル講座」を!ということでした。
ホタル講座には、木城町と高鍋町のホタル復活に関心のある方々が、40人くらいいらっしゃいました。ゲンジボタルの生態やホタルの里づくりの話をして、孵化したばかりの幼虫を双眼実体顕微鏡で見てもらったりしました。終わってから、ホタルが発生する現地を見に行ったりして、皆さんのホタル復活への熱意を感じました。頑張って欲しいと思います。
ヒメボタル(陸生ボタル)のメスは、羽が少し退化していて飛ぶことができません。林の中の下草の上で光ながら、オスを待ちます。夜の林床ということもあって、メスを見つけるのはなかなか難しく、これまで、交尾させることができませんでした。ところが今年、竹名の河野さんから、ヒメボタルのメスを見つけたとの連絡があり、あわててオスを採取して、一緒の部屋(タッパ)に入れたら、さっそく交尾をしていました。一般に、ホタルはメスが大きいのですが、ヒメボタルは逆で、小さい方がメスです。オスの半分くらいの大きさ(0.5㎜くらい)でした。産卵させて、幼虫の飼育を!と思っていましたが、失敗したかもしれません。勉強不足で、ヒメボタルは、土の中や土と落ち葉の間に産卵することを知らずに…。写真では、上の方に、ヘイケボタルが1匹写っています。
3種のホタルの写真を並べてみました。(ゲンジ→ヘイケ→ヒメの順です。)
光り方~ゲンジ…2秒間隔(線で写る)。ヘイケ…0.5~1秒間隔(点線で写る)。ヒメ…点滅(丸い点
光る強さ~ゲンジ…強い(太い線で写る)。ヘイケ…弱い(細い)。ヒメ…割と強い(丸い点)
飛ぶ高さ~ゲンジ…割と高い。ヘイケ…低い。ヒメ…低い
前に、ヒメボタルを紹介した、日向市塩見の小原は、ヒメボタルの他に、ヘイケボタル、ゲンジボタルも生育しています。とくにヘイケボタルが割と多く生育し、その観察にはとてもいい場所です。
ゲンジボタルが2秒ごとに強く光るのに対して、ヘイケボタルは0.5~1秒ごとに光り、光は少し弱く、下の方を速いスピードで飛びます。写真に撮ると、線が細く、点線みたいに見えます。この写真には、ゲンジボタルの太い線も写っているので、比較しやすいと思います。
日向市塩見の小原で、ず~っと葉にとまったままのヘイケボタルがいて、ひょっとしたらと思って葉を下に下ろして見てみたら、やっぱり交尾をしていました。早速そっと確保して、生物室の産卵装置(急きょ、ヘイケボタル用のを作って…)に入れました。
今年は、ヘイケボタルの幼虫飼育にもチャレンジできそうです。ちなみに、ゲンジボタルのメス1匹が500~1000個の卵を産むのに対して、ヘイケボタルのメス1匹は50~100個の卵を産みます。
6/5、サンメッセ日南「モアイの心賞」の授賞式に行ってきました。この賞は、サンメッセ日南が、県内で環境保全に取り組んでいる団体、企業、個人を表彰して、その活動を応援するために設けられたもので、今回が第1回目でした。門高ホタルプロジェクト班が、その中の「モアイの心・奨励賞」を受賞しました。自分達のこれまでの活動が認められて、とても励みになりました。これからも生徒と一緒に頑張ります。
お隣の日向市塩見の小原地区には、ヒメボタルの名所があります。毎年、杉林の中に、数百匹のヒメボタルが出現し、訪れる人を楽しませてくれます。今年はいい写真が撮れたので、このホームページの背景に使うことにしました。30秒、f1.8、ISO3200で撮影しています。カメラの近くを、光が横切ると、写真のように大きな丸に写ります。
2014年に、門川町竹名地区と門高ホタルプロジェクトとの連携でできた、「竹名・ホタルの里」で、今年も4年連続ゲンジボタルが飛びました。今年は少し少なかった感じでしたが、ここでは、ゲンジボタルの他、ヘイケボタル、ヒメボタルの3種のホタルを観ることができます。写真の下の方に、ヒメボタルも写っています。
5/26に、「北川ホタル祭り」が開催されました。この祭りでは、毎年、北川やっちみろ会と門高ホタルプロジェクトとの連携で、「ホタルの生態を知ろう!」のテーマのもと、ホタルの幼虫の展示やホタルの一生の写真パネル展示、上陸装置などの展示を、ホタルの館で行っています。ホタルの幼虫は、実体双眼鏡での観察も行っています。例年、200人くらいの入場があります。そして、昨年から、ホタルの館の中にあるビオトープと飼育室で、光りながら飛ぶゲンジボタルを観てもらってますが、今年はその時に、手回しオルゴールの演奏を行いました。演奏者は、北川小学校の2人と、やっちみろ会の人とたくじぃの4人です。曲目は、「ほたるこい」「アメイジンググレイス」「世界に一つだけの花」「ふるさと」などです。できれば、来年もやりたいと思っています。
北川ホタル博士講座の3回目が、5/20に実施されました。最後にあたる3回目は、毎年、麦わらを材料に作る、「ほたるかご」づくりです。この「ほたるかご」は、北川地区に昔から伝わる、伝統工芸です。道の駅「北川はゆま」にも売ってあります。毎年、北川の家田地区のおばあちゃん達が、作り方を指導してくれます。門高生もチャレンジしました。
最後に、3回とも受講した人に、「北川ホタル博士」の認定証が与えられます。
門高のビオトープの葉っぱの上で、羽化したばかりのゲンジボタルの2匹が、交尾をしていました。
葉っぱが偶然、ハートの形をしています。
この後、この2匹はそっと確保して、生物室の産卵装置に入れておきました。